Macを使用している開発者の中には、ブランドイメージではなくアプリケーションの構築効率を重視している人も多いでしょう。そんな方におすすめの開発環境が「Laravel Valet」です。Laravel Valetを使えば、Macを起動するたびにphp artisan serve
コマンドを実行する手間がなくなります。さらに、OSを再起動しても問題ありません。
環境の確認
まずはMac環境でLaravelの開発環境を構築するために必要なものを確認しましょう。Laravel Valetを利用するためには、以下の3つのソフトウェアが事前にインストールされている必要があります。
- Homebrew(macOSのパッケージマネージャー)
- PHPのバージョン8.2
- Composer(PHPのパッケージ管理ツール)
これらのソフトウェアがインストールされているか確認しましょう。
Laravel Valetのインストール
Composerを使用してLaravel Valetをインストールしましょう。
composer global require laravel/valet
上記のコマンドを実行すると、Laravel Valetのインストールが開始されます。インストールが完了したら、次にvalet install
コマンドを実行します。しかし、この時点ではvalet
コマンドがまだ実行できません。
なぜなら、macOS Catalinaからはデフォルトのシェルがbashからzshに変更されており、PATH
が設定されていないためです。そのため、.zshrc
ファイルを作成し、export PATH="/Users/mac/.composer/vendor/bin:$PATH"
という記述を追加する必要があります。この記述は、zshシェルを使用している場合の例です。bashシェルを使用している場合は、bash_profile
ファイルに同様の記述を追加します。
設定ファイルを作成したら、ターミナルでsource .zshrc
(または.bash_profile
)コマンドを実行して、PATH
の設定を反映させます。which valet
コマンドを実行して、valet
コマンドへのPATH
が通っていることを確認しましょう。
最後に、valet install
コマンドを実行してLaravel Valetのインストールを完了させましょう。
valet install
上記のコマンドを実行すると、Homebrewを使用してnginx、php、dnsmasqなどがインストールされます。インストールが完了したら、Laravel Valetが正常にインストールされたか確認するためにping
コマンドを使用してみましょう。ping foobar.test
のように、任意のドメイン名を指定して実行します。正常に返答があれば、Laravel Valetのインストールが成功しています。
Laravelのインストール
Laravel Valetのインストールが完了したら、次にLaravelのプロジェクトを作成しましょう。まず、ユーザディレクトリの下にSites
ディレクトリを作成します。
mkdir ~/Sites
次に、valet park
コマンドを実行して、Sites
ディレクトリをValetが認識できるようにします。これにより、Sites
ディレクトリ以下に作成されるプロジェクトがValetによって適切に処理されます。
valet park
プロジェクト用のディレクトリを作成する準備が整ったので、Composerを使用してLaravelプロジェクトを作成しましょう。
composer create-project --prefer-dist laravel/laravel blog
上記のコマンドを実行すると、blog
という名前のLaravelプロジェクトが作成されます。
プロジェクトの作成が完了したら、ブラウザでhttp://blog.test
にアクセスしてLaravelの初期画面が表示されるか確認しましょう。ただし、注意点として、このURLはhttpsではなくhttpであることに注意してください。
以上で、MacでLaravel Valetを使用してLaravelの開発環境を構築する方法が完了しました。
Laravel Valetの管理
Valetの起動・停止・再起動
Laravel Valetをインストールすると、Valetデーモンが自動的に起動し、OSを再起動しても自動的にValetデーモンが起動します。Valetデーモンを手動で起動、停止することもできます。Valetを停止するにはvalet stop
コマンドを使用します。
valet stop
停止すると、ブラウザからLaravelへのアクセスはできなくなります。
Valetを起動するにはvalet start
コマンドを使用します。
valet start
Valetを再起動するにはvalet restart
コマンドを使用します。
valet restart
設定ファイルの保存場所
Laravel Valetの設定ファイルは、ユーザのホームディレクトリの.config/valet
ディレクトリに保存されます。このディレクトリには、config.json
ファイルや各種証明書が保存されています。設定ファイルはJSON形式で記述されており、ドメイン名やパスの設定が行われています。
ドメイン名の変更
Laravel Valetのデフォルトのドメイン名はtest
ですが、必要に応じて変更することができます。valet tld
コマンドを使用してドメイン名を変更します。
valet tld app
上記のコマンドを実行すると、ドメイン名がapp
に変更されます。設定が反映されるためには、dnsmasq
を再起動する必要があります。
以上で、Laravel Valetのインストールと基本的な管理方法について説明しました。Laravel Valetを使って、効率的なLaravelの開発環境を構築しましょう!